【読書感想文】福岡が地方最強の都市になった理由
今回は「福岡が地方最強の都市になった理由」の読書感想文です。
ここ数年、非常に元気の良い福岡ですが、なぜ成功したのかを知ることが出来ると、色々と勉強にもなりますし、投資にも活きるかなと思ったのと、Amazonでも非常に評判の良い本だったので読んでみる事にしました。
また私の個人的な考えですが、あまり投資本から投資の知識を得る事は、あまり良くないと考えています、なぜならポジショントークやセールストークが多いからです。 (もちろん例外は多々あります)
REITでは福岡リートなんかもありますね。
福岡が地方最強の都市になった理由の構成
読む前は軽く読める様な本を想像してたのですが、それなりにボリュームもありますし、多少堅い本かも知れません。
はじめに
ご丁寧に、はじめにの中で本書の流れを書いてくれています。
第1章 まちづくりは「常識」を疑え!
都市経営の打ち手を理解するための前提として必要な、「まちづくりの心構え」についてまとめています。
一般的な常識がかえって地域を衰退させる。
街づくりは常識を疑う事から5つのポイント
×「やれること」だけをやって、「やるべきこと」から逃げる
◎「やれること」ではなく「やるべきこと」と向き合う
×流行っている成功事例を、国や自治体からの予算で行う
◎流行りを無視して、自分たちの判断と資金で取り組む
具体例として、全国で工業団地を作ったら土地が余った
全国でリゾート地を作ったら客が来なかった
みんなが同じ事をやっても意味がない
×従来のやり方のまま、量ばかり求める
◎量を求めず、利益にこだわる
一時的な人口増加策は問題を大きくする、人口規模、人口密度、人口構成を組み合わせて稼ぎを拡大させ、コストを下げる
×優秀な人材を役所に集めれば、都市経営はうまくいく
◎優秀な人材を民間に集めて、「稼ぐ企業」を生み出す
多額の費用をかけた教育を受けた優秀な人材が、競争がないため生産性の低い所で働くのは、社会的損失であると筆者は述べています。
×従来のやり方を破壊する「変人」は和を乱すので排除する
◎従来のやり方を破壊する「変人」は地域発展で大切な存在
クリエイティブな人材=常識破りの変人がたくさんいることが、生産性を改善するカギを持っている。
第2章 福岡市は「ここ」がすごい!
人口増加日本一
政令指定都市で5大都市は横浜市、大阪市、名古屋市、札幌市、神戸市の時代が長らく続いていたが、福岡市が京都市、神戸市を抜いて5位にランクインした。
かって栄えた北九州はいま
1963年に門司市、小倉市、戸畑市、八幡市、若松市の合併によって誕生した北九州市は福岡市より先に政令指定都市になり、人口も当時の福岡市より30万人多い、約104万人を要したが重厚長大産業の衰退により、福岡市とは対象的な状況。
教育都市
長崎、熊本に競り勝ち九州帝国大学を誘致できたのが大きい。
(明治維新から第二次世界大戦まで、熊本が九州の中心であった)
他都市も羨むコンパクトシティ
福岡市の人口密度は4,500人/km2、札幌市が1,750人/km2、仙台市が1,380/km2
人口集中地区の人口密度
福岡市は1970年の段階で8,783人/km2、2015年9,631km2と密度を高め続けている。
他の政令指定都市で人口集中地区の人口を高め続けているのは横浜市と、さいたま市のみ。
札幌、仙台、名古屋、広島は減っている。
アジア一位の空港アクセス
まぁこれは説明不要でしょう、便利すぎますね。
職住近接
福岡市では徒歩や自転車で通勤する人も多い。
なんでも最近先進国ではウォーカブルシティ(歩けるまち)が人気があるそうです、一昔前は大きな道路を通して車で移動できることが高く評価されていましたが、職住近接が成立し、公共交通機関や徒歩、自転車などで歩いて回れる範囲に都市機能が集中している方に人気があつまっているそうです。
サービス産業が豊かな都市
起業にも寛容
建設投資伸び率1位
博多駅再開発事業や天神ビッグバンと呼ばれる天神再開発では、国家戦略特区で従来は17階相当のビルしか建てられなかったのが、26階相当の高さまで建てられる大幅な規制緩和を行い、投資が活発となっている。
第3章 福岡市5つの「常識破り」
常識破り①開発投資
自治体の財政難→民間投資、民間主導の開発推進
常識破り②集積競争力
商業集積地・後発組の天神→「オール天神」のエリアマネジメント
常識破り③産業
水源不足、周辺都市との競争劣位→工業化の早期撤退、サービス産業への注力
常識破り④都市機能・交通
工業化の失敗→管理中枢都市を目指し、ハブ機能都市として交通結束点を強化
常識破り⑤都市密度・効率
水源不足→制御型都市開発
この章では、私の故郷である、呉市や広島が失敗例として出てきます、常識破り①の所で呉市「殖産興業」を推進した都市の一つとして取り上げられてます、軍港として指定された横須賀や舞鶴、呉、佐世保などは著しく繁栄するが、時代の変化についていけないと書かれています。
“行政主導の都市開発は一度でも斜陽を迎えると、地元住民ががんばってどうにかなるレベルを超えた問題となり、そうなるともはや衰退の道しかのこされてない“と厳しいです。
上記のような例をあげ、民間主導の都市開発の重要性を書かれています。
常識破り④都市機能・交通のところでは広島空港の問題を書かれています、広島空港は昔は広島市内の便利のいい場所にあったのですが、今は広島市と福山市どちらへ行くにも1時間は掛かる、非常に不便な場所にあります。
その結果、山口県の岩国錦帯橋に客を奪われる、新幹線にも客を奪われると悲惨な状態です。
70年代80年代に飛行機のジェット化の関係から、滑走路の延伸や、騒音、安全の問題が持ち上がり、全国の空港が郊外に移転する中、街中に空港を残した福岡市の決断は英断であったと結論付けています。
第4章 福岡市を変えた10の「覚悟」
この章では福岡市を変えた5人、10の覚悟を紹介しています、その5人の紹介の前に、みんなで物事を決める危険性を著者は書かれています、みんなで決めれば、「広い視野で間違いのない意思決定ができる」という人がいますが、たいへん危険な考えであると著者は述べています。
紹介された5人
福岡が生んだ実業家 渡辺与八郎
電力・ガス会社を創設した 松永安左エ門
金融面で支えた 四島一二三
明太子ふくや 川原俊夫
市政から支えた 進藤一馬
以上の5人を紹介し、100人の合意より「1人の覚悟」のほうが、都市発展において貴重と書かれています。
第5章 経営視点で見える「福岡メソッド」
現在、福岡市が他都市と比較して高く評価されているのは、あくまで「過去の打ち手の結果」であり、福岡市の打ち手が他都市より優れていたからです。
上記のようになった経緯を経営の視点から見て以下の3つのポイントに整理しています。
- 制約条件が特異な戦略をつくりだす
- 技術革新が起こる時、競争論理は変わる
- 民間資本が尖りをつくる
第6章 福岡市の「制約」と「未来」
この章では「追う側」から「追われる側」になったことで制約が出来たと筆者は述べています。
制約①九州衰退のリスク
制約②「アジア」の多様な成長・衰退・混乱
制約③大学の国際競走、若い人材の獲得競争の激化
制約④急速な成長によ凡庸化、過剰集積
ロドスタ感想
私自身20代の前半まで広島に住んでたので、つい広島との比較になってしまいます。
私が子供の頃は広島と福岡はいい勝負だったと思います、実際調べてみると、昭和60年で福岡が116万、広島が105万人だから、まぁいい勝負でしょう、広島は府中町の飛び地入れたら5万人位増えますしね。
また私が子供の頃は広島にはカープがあるけど、福岡にはプロ野球球団なかったので、ちょっと勝った感はありましたね。
しかしその後、今日に至るまで随分と差がついてしまいました、特に空港の勝負になると、もうどうしようもない。
ちなみに福岡リートに対抗するのか、広島でも広島銀行が地銀初のリートを作りました、何年かすると上場してる可能性も高いですね。
http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/39879/1/sankou_detademiru_fukuokashi.pdf
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1332296948899/index.html
まとめ
はじめは軽い感じの本を想像してたので、想像してたのよりは難しい本でしたが、なかなか為になる本でした。
福岡リートの検討材料の一つの手段として「福岡市が地方最強の都市になった理由」を読んだのですが、福岡リートはキャナルシティへの投資割合が34%もあるので、博多駅再開発で最近オープンした、KITTE博多・JR博多シティとかの商業施設なんかの影響が心配ですね。
本の中では天神と博多が競争するライバル関係であるのが福岡市の発展の要因の1つとして挙げられてます、その点は確かにその通りだなと納得するのですが、福岡リートを純粋に投資対象として見ると、天神VS博多がパイの奪い合いになり、キャナルシティに悪影響が出る事はリスクの一つかなと思います。
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